特定非営利活動法人 海上GPS利用推進機構
       会長 中尾 成邦

新春お慶び申し上げます。当機構の活動に際し日頃からのご支援、ご協力に対し改めて心よりお礼を申し上げます。海上GPS利用推進機構は関係各位のご支援を賜り、本年7月にはNPO活動法人設立9周年を迎えることになります。

さて、昨年の我が国経済は、安倍政権のいわゆるアベノミックス効果は「期待」だけでなく、既に実体経済を変え景気の回復が日本経済の隅々に広がっている様子が直に感じ取れ、復興需要など内需が起点となって底堅い景気の回復が進んでいると思われます。

また、政府は東日本大震災の復旧・復興の取組みと同震災を教訓にした新たな災害への備え、老朽化した社会資本の戦略的な維持補修、さらには経済の活性化につながる国際競争力や地域の活力を取り戻す拠点としての港湾・空港機能の強化も重要であるとしています。

このようなことを背景に、今後ますます社会インフラの高度な整備が再認識されており、海上工事の高度化施工に資するGPS海上測位技術の重要性はますます増大するものと思われ、当機構は今後とも大きな役割を果たしていかなければならないと考えております。

当機構の昨年の活動を振り返ってみますと、基準局の利用については官公庁の直営作業船における利用については昨年度と同程度、民間ユーザーについても同様であり、機構の業務は計画通り順調に推移しています。また、基準局設備につきましては、最新の無線通信及びGPS受信機技術を取り入れた新機種をこの2月に導入を予定しており、引続き会員の皆様への安定した高精度測位情報の提供が図れるものと思います。

また、GPS波浪観測における無線通信及び監視業務につきましては、これまでに蓄積してきたノウハウを活用、発展させるとともに、新規観測局予定の高知県室戸岬沖、宮崎県日向沖のGPS波浪計の電波伝搬試験に海上測位用の無線機の提供と現地技術調査に参画し、所定のRTK-GPS測位性能が得られることも確認が出来ました。

次に、NPO活動の一環としての高精度RTK-GPS測位の普及促進事業については、沖縄県の那覇地区において技術講習会を本年2月に実施する予定です。GPS機構方式基準局の同県における利用実績はありません。この講習会を通じて、高精度RTK-GPS測位技術、測位方法を体験していただき、GPS機構の提供する測位技術の利便性を会員企業はもとより、地元企業の皆様にもご理解いただけるものと考えております。
GPS機構は、昨年に引き続き以下の事項に重点を置き活動してまいります。


  1. GPS基準局運営事業活動では、港湾工事を担われる会員の皆様へより安定した補正情報の提供を通して高精度施工管理のお役に立てるよう、基準局設備の近代化更新を進め、基準局が設置されていない地域においては、設置方法を簡素化した簡易基準局を設置し、より多くの港湾で簡易基準局が有用となるよう努めてまいります。
  2. 国土交通省が進めているGPS波浪計の全国展開に伴う監視業務では、監視ソフトの充実、体制の強化を図りました。今後増設されるGPS波浪計にも対応すべく、通信・監視プログラムの更新と機能向上を進め、関係者の信頼にお応えするよう万全の体制で努めて参ります。
  3. 高精度RTK-GPS測位の普及促進活動として実施する技術講習会については、今後も継続教育プログラム(CPD)として有用な技術講習会となるよう、その内容の充実を図るとともに、これまでに開催していない地域でも実施し、より多くの方に参加いただけるよう計画する予定です。

GPS機構のいずれの事業活動も会員の皆様と一体となった業務の推進が必要であり、会員の方々からの情報やご提言等を参考にしながら積極的に対応して参りたいと考えております。

最後になりましたが、今後も引き続きのご支援とご協力を重ねてお願いするとともに、皆様の益々のご繁栄とご健勝を祈念して年頭の挨拶と致します。