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基準局のGNSS対応について【応用編】
Q1特定小電力無線による自社基準局を使用する場合、移動局のGNSS受信機でRTK測位は可能か?
A

(1)自社基準局がGPS対応の場合
 自社GPS基準局から特定小電力無線で補正情報を送信する場合、特定小電力無線の通信容量(4800bps)の制約から、RTCM2.1(補正データ標準フォーマット)であれば2秒間隔で送信するか、CMR(Trimble社フォーマット) 等の圧縮率の高いもので送信する必要があります。なお最近のGNSS受信機では、RTCM2.1等に対応しない場合があるので注意が必要です。

(2)自社基準局がGNSS対応の場合
 自社GNSS基準局から特定小電力無線で補正情報(RTCM3.2等)を送信する場合、特定小電力無線の通信容量(4800bps)の制約から、GPS+QZSS+GLONASS等のGNSS補正情報に対して容量不足となります。使用する衛星をGPSに絞るか、GPS+GLONASSで仰角マスクにより衛星数を絞るなどの対応が必要です。

 上記のいずれの場合も、移動局のGNSS受信機は、それぞれRTCM2.1、RTCM3.2等に応じて設定を行います(GNSS受信機設定の詳細はメーカー等に確認ください)。

【参考】
※基準局から移動局へ補正情報を送信するために使用される補正データ標準フォーマットにはRTCMやCMRがあります。
 RTCMが補正データ標準フォーマットであるのに対して、CMRはTrimble独自のフォーマットです。



Q2GPS基準局・GNSS基準局の両方の補正情報に対応したGNSS受信機のメーカ名および型式を知りたい。
A

 GPS基準局からの補正情報は、RTCM2.1フォーマットで送信しています。またGNSS基準局からの補正情報はRTCM3.2フォーマットで送信しています。近年のGNSS受信機はRTCM2.3フォーマット以上の機種が販売され、GPS基準局からの補正情報RTCM2.1に対応しておらず、RTK-GPS測位ができない機種が見られます。当機構で現在把握しているRTCM2.1とRTCM3.X※1の両方の補正情報に対応してRTK測位のできるGNSS受信機の機種は以下の通りです。

  • ※1:GNSS基準局の補正情報はRTCM3.2で送信していますが、GNSS受信機のRTCMフォーマットはVer.3.0以上でRTK測位ができます。
  • ※GNSS受信機によっては、RTCM3.0でもGNSSに対応できなかった事例が報告されていますので、対応については事前にメーカー等にご確認ください。(詳細はGPS機構まで、令和5年4月)
(令和5年3月末)
メーカー名 GNSS受信機の機種(型式) 備  考
ニコントリンブル Trimble SPS852 FWのバージョンアップでRTCM2.1及び3.2に対応
Trimble SPS855 FWのバージョンアップでRTCM2.1及び3.2に対応
Trimble NetR9 FWのバージョンアップでRTCM2.1及び3.2に対応
Trimble R750  
Trimble Alloy  
Septentrio AsteRx-U  
AsteRx SB  
Hemisphere VS330 FWのダウングレードでRTCM2.1及び3.2に対応
Novatel OEM6シリーズ  
OEM7シリーズ  
PwrPak7D  
アムテックス STARBOX OEM6シリーズ  
STARBOX OEM7シリーズ  
トプコン MR-2  
JAVAD DELTA-G3T  
※GNSS受信機の導入(購入)に際しては、詳細仕様をメーカに確認してください。