移動局(作業船等)に搭載している測位機器がGNSS基準局に対応する機種であるかどうか確認が必要となります。補正データ受信機についてはGS3000番台にGNSS対応ソフト(GPS機構提供)をインストールする必要があります。GPS受信機はGNSS対応型を準備し、使用衛星オプションの追加、ファームウェアのバージョンアップを行います。
GPS機構ではGNSS関連機器の情報を整理しており、情報提供いたします。移行実施にあたってはメーカーでの最終確認をお願いします。
令和3年6月に『GNSS基準局移行助成制度』を創設し、GPS機構正会員を対象にGNSS対応補正データ受信機、GNSS受信機、その他GNSS対応に必要な費用に対して助成します。助成期間は令和3年度(4年度も検討予定)としています。
助成の内容や申請方法はGPS機構ホームページに記載しており、詳しくはGPS機構までお問合せください。
GNSS対応した移動局では、補正データ受信機(GS3000番台にGNSS対応ソフトをインストール)のスイッチの切り替えにより、GNSS基準局とGPS基準局の双方の受信が可能となります。
GPS基準局が廃止され、GNSS基準局に移行した場合には、従来のGPS対応の移動局では対応できなくなるので注意が必要です。
GPS基準局では、RTKモードとディファレンシャルモードが利用可能ですが、GNSS基準局では、RTKモードだけが利用可能で、ディファレンシャルモードは利用できません。このためGNSS基準局設置後も、ディファレンシャルモードのユーザーがいる一部のGPS基準局は当面存続します。
一方で、補正データ受信機(GS3000番台)にGNSS対応ソフトをインストールして、GNSS対応の移動局に移行した場合ですが、GNSS基準局に対応するだけでなく、スイッチの切り換えにより従来のGPS基準局にも対応可能です。このためGNSS対応の移動局では、GPS基準局によるディファレンシャルモードの利用が可能となります。
RTK測位のためには基準局と移動局で補正データ標準フォーマットRTCMのメジャーバージョンを一致させることが必須です。GNSS基準局はRTCM3.2で送信するので、移動局はRTCM3.2が標準となりますが、RTCM3.0でも対応可能です。(なおGPS基準局はRTCM2.1で補正情報を送信しています。)
GNSS基準局ではニコントリンブルのGNSS受信機を使用し、FW(ファームウエア)はバージョン5.45を採用します。測位性能の点から、移動局も基準局と同等のFWバージョンの使用が望まれます。ただし、GNSS受信機のFWバージョンはメーカーの共通規格ではないため、ニコントリンブルFWバージョン5.45に相当する各社のFWバージョンを使用することが望まれます。
補正データ受信機のGS3000番台(GS-3001、GS-3002、GS-3005)は購入時の状態ではGPSのみ対応します。これら機材にGNSS対応ソフトをインストールすることでGPS対応及びGNSS対応が可能となります(補正データ受信機のスイッチにより切替え)。GNSS対応ソフトをインストール済みの補正データ受信機は、GS-3001A、GS-3002A、GS-3005Aのように、型式の末尾に[A]を表示した銘板(シール)が貼り付けられています。
(留意事項)型式等表示の銘板(シール)は補正データ受信機の上部に貼り付けられることが多いため、補正データ受信機の設置の状態によっては表示が見えない場合があります。
お手持ちの補正データ受信機が、GNSS対応かどうか不明の場合は型式と製造番号を確認いただき、GPS機構(または古野電気)まで連絡ください。
補正データ受信機はGS3000番台にGNSS対応ソフトをインストールしていることが必須条件です。GNSS対応ソフトのインストール済み受信機には、名板の型式の後に“A”が付記しています。(例GS-3001A、GS-3002A等)ここでは補正データ受信機GS-3001Aを例(GS3000番台であれば同じです)にGNSS補正データの受信機設定手順を示します。